年齢で変わる愛犬の栄養必要量:正しい時期の正しい選択
ペットフードアドバイザーとして多くの相談を受ける中で、「うちの子の年齢に合ったフードってどう選べばいいの?」という質問が非常に多いです。実は、年齢によって必要な栄養バランスは大きく異なります。
子犬期(生後2ヶ月~1年)は、最も栄養必要量が多い時期です
特に生後2-6ヶ月は、脳の発達や骨格形成のための栄養が重要です。子犬用フードには、成犬用の約1.5倍のカロリーと、より多くのタンパク質が含まれているのはそのためです。
また、DHA(ドコサヘキサエン酸)は脳の発達に欠かせません。良質な魚油を含む子犬用フードを選ぶのがポイントです。カルシウムとリンのバランスも重要で、特に大型犬は骨格形成に時間がかかるため、より慎重な選択が必要です。
成犬期(1-7歳)は、維持期の栄養バランスが基本となります
ただし、活動量や体格によって必要なカロリーは大きく異なります。室内で穏やかに過ごす小型犬と、毎日長時間の運動をする大型犬では、必要カロリーが2倍以上違うこともあります。
この時期で特に注意したいのが肥満です。適正体重を維持できるよう、活動量に応じた適切なカロリー管理が重要です。私がよく相談を受けるのは、去勢・避妊後の体重管理。手術後は基礎代謝が下がるため、カロリー制限が必要になることが多いのです。
シニア期(7歳以降)になると、消化機能や代謝機能が徐々に低下してきます
しかし、よく誤解されているのが「シニアだからカロリーを抑えめに」という考え方。確かにカロリーは控えめにする必要がありますが、タンパク質は質の良いものを十分に与える必要があります。
シニア犬の最大の課題は、筋力の維持です。良質なタンパク質が不足すると、筋肉量が減少し、活力が低下してしまいます。また、関節の健康維持のために、グルコサミンやコンドロイチンなどの成分も重要になってきます。
・活力の変化
・食欲の変化
・体重の増減
・被毛の状態変化
・排泄の状態変化
愛犬の年齢や体調の変化をよく観察し、その時々に合った適切な食事を選んであげることが、健康で長生きするための大切なポイントとなります。日々の観察を忘れずに、愛犬に合った食事選びを心がけていきましょう。