動物由来感染症の感染経路・病原体について

この文面は、厚生労働省「動物由来感染症」からの、「動物由来感染症」について学べる出典記事となります。


シリーズ「動物由来感染症について」パート3

動物由来感染症の伝播

病原体に暴露され、病原体がうつることを「伝播」といいます。動物由来感染症における伝播とは、病原体が動物から人間にうつるまでのすべての途中経過をあらわします。病原体の伝播は感染源である動物から直接人間にうつる直接伝播と、感染源である動物と人間との間に何らかの媒介物が存在する間接伝播の、大きく2つに分けることができます。さらに間接伝播は感染動物体内の病原体を節足動物等 (ベクター)が運んで人間にうつすもの、動物の体から出た病原体が周囲の環境 (水や土等 ) を介して人間にうつるもの、および畜産物等の食品が病原体で汚染されている場合に分けて考えることができます。

伝播の具体例

直接伝播
咬まれる、ひっかかれる、触れる(糞便)(飛沫・塵埃)など
間接伝播
ベクター媒介(ダニ類、蚊、ノミ、ハエ)
環境媒介
水、土壌
動物性食品媒介
肉、鶏卵、乳製品、魚介

動物由来感染症の病原体

動物由来感染症の原因となる病原体には、大きいものでは数センチ (時には数メートル) もある寄生虫から電子顕微鏡を用いなければ見ることのできないウイルスまで、様々な病原体があります。また、従来の微生物の概念とは異なるプリオンという異常タンパク質も動物由来感染症の原因となることが分かっています。

ウイルス
狂犬病、日本脳炎、ウエストナイル熱、デング熱、チクングニア熱、ジカウイルス感染症、ダニ媒介脳炎、E 型肝炎、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)、中東呼吸器症候群(MERS)、重症急性呼吸器症候群(SARS)、エボラ出血熱
リケッチア、クラミジア
日本紅斑熱、つつが虫病、オウム病
細菌
Q熱、ペスト、サルモネラ症、レプトスピラ症、猫ひっかき病、ブルセラ症、カプノサイトファーガ・カニモルサス感染症、コリネバクテリウム・ウルセランス感染症、カンピロバクター症、炭疽、ライム病
真菌
 皮膚糸状菌症、クリプトコッカス症
寄生虫
トキソプラズマ症、回虫症、エキノコックス症、クリプトスポリジウム症、アニサキス症
プリオン
変異型クロイツフェルト・ヤコブ病 (vCJD)

動物由来感染症との関連

ペット(伴侶動物)
本来、犬や猫からうつることは少ないが、まれに人に病気を起こす病原体を持っている。人と密接に触れ合うことで感染することがある。
野生動物
どのような病原体を持っているか不明なことが多い。人にとって重篤な感染症の病原体を持っている可能性がある。
家畜、家きん
畜産品等による食中毒の原因となる場合がある。衛生対策の徹底で予防可能な感染症が多い。
展示動物
人と動物とが触れ合える施設では、不特定多数の人が接触することから、動物由来感染症に配慮した対策が重要。

 

 

出典・加工して作成:厚生労働省ホームページ「動物由来感染症ハンドブック2018」

https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou18/pdf/handbook_2018.pdf