【犬との上手な暮らし方】人と動物の共通感染症の日本で起きた実例について

人と動物の共通感染症の日本で起きた実例について

人と動物の共通感染症の日本で起きた実例について

国内では、2002 年と 2006 年に島根県と兵庫県の鳥類展示施設でオウム病が発生し、従業員や一般来園者に感染する事例となりました。

一時期日本には存在しないと考えられていたQ熱は、ネコからの感染など、毎年 10 例前後の患者数が報告されるようになっています。

また北海道の風土病ともいわれたエキノコックス症は、毎年20例前後の患者が報告されています。

狂犬病については、1957年以降、日本においてイヌ・人とも発生していませんが(海外渡航者による輸入感染症例は 3 例発生)、海外における発生状況等を踏まえ、引き続き狂犬病予防法に基づき犬の登録による全数把握と、毎年の予防接種が確実に行われる必要があります。

しかし、国内のイヌの狂犬病予防接種率は40%台まで低下していると見られており、動物取扱業者、一般飼養者等の危機意識の低下が懸念されています。

(WHO の報告書によると、狂犬病の流行を抑制するには 70%の接種率が必要とされています。)人と愛玩動物の距離が近くなっている現状では、動物愛護管理法に基づく動物の所有者等の責務に関する普及啓発及び動物取扱業者に義務付けられている事前説明等において、共通感染症の正確な知識等の普及の必要性が更に高まっているといえます。

また、水際対策の観点では、日本には年間約83万頭の哺乳類、鳥類、爬虫類が海外から輸入されていますが(2006 年 財務省貿易統計)、海外で発生している共通感染症の侵入を防止するため、輸入届出制度が導入され、哺乳類、鳥類等については輸入時の届出と、輸出国政府による輸出国衛生証明書の提出が義務付けられました。

また、狂犬病の感染の恐れがあるイヌ、ネコ、アライグマ、キツネ、スカンクについては、狂犬病予防法に基づく輸入検疫が行われています。

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人と動物の共通感染症に関するガイドライン

出典・加工して作成:環境省