グレインフリードッグフードは本当に安心?
「グレインフリーのドッグフードなら安心」と思っていらっしゃる飼い主の方は多いのではないでしょうか。アメリカでは、グレインフリードッグフードのニュースが大きく取り上げられています。
実際のところ、グレインフリードッグフードは犬の食事に最適であるとは言えません。穀類を入れていないだけで、じゃがいもや豆類などを大量に入れることでドッグフードの全体量を増やし、さも安全であるかのように謳い、犬が満足できる量になるよう穀類の代わりにそれらを使用しているドッグフードが多くあるためです。そのようなドッグフードが犬に与える危険性がどのくらい高いものであるか?という事実は、深刻なニュースとして世界中で議論されています。
アメリカの政府機関であるFDAは、えんどう豆やレンズ豆、豆類種子、ジャガイモを主原材料とするドッグフードを食べる犬における拡張型心筋症(DCM)に関する報告について、獣医師とペットオーナーに警鐘を鳴らしました。それらの原材料がどのように拡張型心筋症を引き起こすことに繋がるかはあまり知られていません。
出典元サイト【American Veterinarian】
グレインフリードッグフードとは?
グレインフリーとは「穀物不使用」という意味です。犬は基本的に肉食という性質を持ち合わせていますので、体質的に消化が難しいとされる「穀物」を使用しないドッグフードは犬にとって良いものであるとされています。
GI値とは?
GI値は、食べた食材の血糖値の上下幅を表す値です。数値が高いと血糖値の上下が激しく、逆に低いと血糖値の上下が穏やかであることを意味します。GI値が高いものから順番に高GI食品・中GI食品・低GI食品と定めています。高GI値の食事を頻繁に摂取すると、インスリン分泌が正常ではなくなりイライラや更なる高GI値食材を欲する等の悪循環が生じます。結果的に糖尿病を引き起こす等の可能性も指摘されています。要するに、GI値の高い食べ物は「穀物に近い作用を施す」という事です。
グレインフリードッグフードとGI値について
グレインフリーを謳っているドッグフードの中に、穀物は不使用でも「高GI炭水化物を多く含んでいる」ドッグフードがたくさん出回っています。その主な理由は「良質な肉を使用する場合コストがかかるため利益が減る」→「肉の代わりのかさ増しとして穀物以外の安い食材(高GI値)が起用される」等であると言われています。
犬がGI値の高いドッグフードを食べ続けるとどうなる?
肉食である犬は、穀物の消化に必要な酵素が僅かしかありません。そんな犬が高GI値のドッグフードを食べ続ける事により、先程述べたように「糖尿病のリスクが上がる」「イライラ等の症状」他には「肥満」「アレルギー」等を引き起こすとされています。特に小麦粉のグルテンは腸内環境を悪化させる万病の元と言われています。これは人にも犬にも共通して言える事です。
FDAに報告された事例において、疾患を発症した犬たちは、ジャガイモや様々な豆類、またそれらのたんぱく質、でんぷん、繊維が原材料一覧の上位に記載されている(すなわちそれらが主原材料である)食餌を与えられていました。多量の豆類やジャガイモは、ラベルに“グレインフリー”と記載されている商品に多く見られます。
出典元サイト【American Veterinarian】
犬にとって不要な栄養素の影響は?
犬にとって消化が困難な食物は、米や麦等の穀物だけではなくじゃがいもや豆類も同じく体質に合わない炭水化物です。犬の生態をよく知る専門家の話では、「炭水化物は犬には必要の無い物である」と言われています。炭水化物の摂取が多くなればなるほど、犬にとって肥満・心臓疾患の原因となる可能性が高いということです。犬に最適な食事は「炭水化物が少ないこと」が大きな条件となります。
原材料一覧を見て買っていますか?
ドッグフードに必ず記載されている原材料の一覧は、ドッグフードに使用されている量が多い順に並んでいます。原材料一覧を順に見ていくと、何が多く含まれているのか一目瞭然です。一覧の上位に「ポテト・豆類」が出てくるドッグフードは、炭水化物が多いものと言えます。犬にとって適切な栄養素を確保するためには、炭水化物を減らしタンパク質を増やす必要があります。高タンパク・低炭水化物のドッグフードが犬に適した食事だと言えます。
4つの典型的な拡張型心筋症の医療記録は、ゴールデンレトリーバー3頭、ラブラドールレトリーバー1頭で、それらの犬は、拡張型心筋症を潜在的に引き起こすタウリンの低全血の症状があったと明らかにされました。
出典元サイト【American Veterinarian】
FDAの獣医学センター、獣医研究調査応答ネットワークはこの潜在的な関連性について調査をしています。FDAによると、獣医心筋症団体の初期の報告では、発症した犬たちは前述のようなドッグフードを数か月から何年もの間食べ続けていたと述べています。
出典元サイト【American Veterinarian】
Dr.フリーマンは以下のように述べています。
「最近、一部の鋭い循環器専門医は、ゴールデンレトリーバーと一部の非定型の種の犬は高い確率で拡張型心筋症になると気付いていました。また彼らは典型的、非定型の種ともに、グレインフリードッグフードやトレンドのドッグフード、もしくはエキゾチックな原材料を使用しているドッグフード(カンガルー、レンズ豆、鴨、豆類、そら豆、バッファロー、タピオカ、サーモン、ラム、大麦、バイソン、鹿、ひよこ豆)を食べていることが多い。ビーガン(完全菜食主義)のドッグフードや、ロー(生)フード、自宅で手作りのフードを食べている犬でさえもかかりやすい。」
FDAは、調査中の間ペットオーナーと獣医師に拡張型心筋症が犬の食餌に関連しているということを伝えることを奨励しています。
出典元サイト【American Veterinarian】
愛犬を病気にさせない食生活を!
パッケージに「グレインフリー」と表記されているドッグフードの危険性が取り上げられている今、実際に使用されている原材料がはたして本当に犬の体質に合った原材料であるのか否かを判断するために、今現在ご自宅の犬たちに与えているドッグフードの原材料・成分を、飼い主自身の目と知識で見直してみませんか?
FDAは2019年2月に調査内容と経過報告を発表
FDAは2019年2月に調査内容と経過報告を発表しました。今後もグレインフリードッグフードとDCM(拡張型心筋症)の関連性について引き続き調査を行っていくとのことです。
飼い犬にグレインフリードッグフードを供餌しており、DCMや他の心臓の状態(エネルギーの低下、咳、呼吸困難、虚脱の症状など)の兆候を示している場合は、できるだけ早く獣医に連絡してください。
出典元サイト【U.S. Food and Drug Administration】
結論
「犬を病気にさせない食生活に切り替えるのは今である」ということがより多くの愛犬家に周知されることで、ペットたちと飼い主自身の生涯の幸せに繋がっていくことでしょう。
結論としては「グレインフリー」とだけ書いてあるドッグフードでも、実際は「穀物」を使用していないだけで「穀物類似食物」を使用している事が多くあり、それによって犬への健康被害が懸念されるという事です。