動物虐待の考え方 動物取扱業者編

動物の虐待の考え方

行政では、虐待の定義を明確化するために、各都道府県において判決事例を収集・把握を行っております。今回は、虐待に該当する可能性、あるいはそのままの状態で放置されれば虐待に該当する可能性があると考えられる事例をご紹介いたします。

1.意図的な虐待(やってはいけない行為を行う ・ 行わせる)
・殴る・蹴る・熱湯をかける・動物を闘わせる等、身体に外傷が生じる又は生じる恐れのある行為・暴力を加える
・心理的抑圧、恐怖を与える
・酷使 など

2.ネグレクト(やらなければならない行為をやらない)
・健康管理をしないで放置
・病気を放置
・世話をしないで放置 など

※動物自身の心身の状態 ・ 置かれている環境の状態によって判断される。

動物取扱業者等において、虐待に該当する可能性・あるいは放置すれば虐待に該当する可能性があると考えられる例

・ケージが狭く、動物の排泄物と食餌が混在した状態で放置されている。動物が排泄物の上に寝ている。

・常時水を置いていない。あるいは、水入れはあるが中に藻が付いていたりして不潔である。

・幼齢にもかかわらず、食餌を適切な回数与えず(例えば朝晩の2回のみ等)、また、それで問題ないと説明している。

・糞尿が堆積していたり、食餌の残渣が散らかっていたりして、清掃が行き届かず、建物内、ケージから悪臭がする。

・動物の体が著しく汚れている

・病気や怪我をしているにもかかわらず、獣医師の治療を受けさせていない。
 
・飼育環境が飼育している動物に適していない(温度・湿度の調整も含む)。例えば、西日が当たるなど建物内の温度が上昇した場合、あるいは、その逆で、冬季に低温となった場合に対応しない。

・多頭飼育で、飼育環境が不衛生。常時、糞尿、抜けた毛、食餌、缶詰の空やゴミがまわりにちらかっており、悪臭がする。

・ケージ内で動物を過密に飼育している。

・店内の大音量の音楽、または過度の照明にさらされることにより動物が休息できない。

・しつけ、訓練と称するなどし、動物に対し殴る、蹴る等の暴力を与えたり、故意に動物に怪我をさせたりする。

・体調不良、不健康な動物をふれあいや散歩体験等に使用する。

・出産後、十分な期間(離乳し母体が回復するまでの間)を経ずに、また繁殖させる。

 

出典・加工して作成:環境省「平成30年度動物の虐待事例等調査報告書」
https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/h3103b/full.pdf