最終更新日:2019/05/08
犬は、群れで生きていた祖先の名残りから「必ずリーダーを作るもの」であると言われてきました。
しかし近年、アメリカでの研究において「犬は人間との群れにおいては主従関係を作らない」という事が分かりました。
上下関係を左右すると言われてきた日常の行動として、犬が人間のベッドやソファで一緒に休むという事を例に挙げてみましょう。ペンシルベニア大学獣医学校の動物行動科学所長カルロ・シラクサ博士は、犬と人間が同じ場所で眠る事に関してこう述べています。
温厚で信頼関係のある犬であれば、互いの睡眠を妨げるような事はない。また、犬と同じ部屋やベッドで寝かせることで犬が群れのトップにいると勘違いするようなことはない。犬は人間との関係と他の犬との関係を分けて認識しています。家庭において犬が人間と交流を取る際、犬はヒエラルキーを構築しようとはしていないのです。
出典元サイト【The New York Times】Out of the Doghouse, Into the Bed
犬をパートナーとして考える
これまでの日本では犬はあくまで番犬として外で飼われ、食べ物は人間の残り物という飼われ方が一般的でした。そのため、当時は犬をしつけるのではなく怒鳴り声や振る舞いで支配する家庭は多くありました。しかし、上記のような「人間に対する犬の本質」が分かれば、現日本で主流となりつつある「室内飼い」が基本となり、食べ物も「人間は人間」「犬は犬」。といった種を尊重する意識が飼い主に芽生え「本当はあげたらいけないと分かっているんだけど」という甘い認識で犬が喜ぶからと犬の身体に良くないものを与えるような飼い方が無くなれば、飼い犬は本当のパートナーであると言えるのではないでしょうか。
正しいしつけの方法、正しい栄養の摂らせ方、あげてはいけない食べ物など犬の本質をきちんと理解し、犬たちとより良い関係を築いていきましょう。